初めての稽古場 Part3

当時わたしは、劇団神戸のスクール生として入団した。
同期入団の新人もそれなりにいて、劇団側も教育に力を 注いで頂いていた記憶がある。

役者の素晴らしい先輩達(決してお世辞ではない、関西の最高峰が集まっていた)はもちろん、
日舞(正式には剣舞)、ジャズダンスなど、地方劇団には珍しいレベルで各ジャンルの先生達から教えを請う時間があった。
今でもその事を大いに感謝している。
総合芸術と呼ばれる演劇は、多方面においての知識と感性が必要な芸術で、
役者なんてやろうものなら、さらに自身の過去と向き合うという哲学的な要素にも関わる仕事。
その基礎となるものが各ジャンルにあって、例えば日舞には自分を律する戒律のような、姿勢と所作がある。
これは己を消して表現体になるときの身体の基礎があるし、
ジャズダンスには西洋戯曲を演じるための会話のリズムと所作において
なくてはならないものだと思う。(バレエしかり)

実際はレッスンを受けている最中はお稽古ごとに必至なのだが、
後になるとそれを識っていると識らないのでは引出しの数が格段に変やっていることに気づく。
東京の新劇劇団がそういった稽古を盛り込んでいるのには、
表現の基礎を学ぶうえでしっかり意味があるのだと後で理解した。
なんにせよ、神戸の劇団でそれを学べたということに今更ながらに感謝。

そういえば、東京にきて東洋のバイオリン「二胡」と出逢った。
これまた、内存している意識を呼吸と演奏テクニックにより表現する魂の楽器で、
演劇表現と決して切り離せない関係。

つまり、演劇にはどんな習い事も有効で、普段から表現のあらゆる部分を知る必要があるということだと思う。
そして恐らく多くの表現は一朝一夕では成り立たない。
とてつもなく長い時間を積み重ねる事だから、お芝居を初めようとこれを読んで頂いている方がいたら、
どんなジャンルでもいい、5年、10年スパンで続ける表現を一つでもいいから初めて欲しい。
断言するが、間違いなくそれは将来あなたの財産を築く自分への最高の投資となる。

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