初めての稽古場 Part2

演劇の稽古を始めたばかりの頃で記憶にあるのは、まずは「外郎売り」だ。
突然渡された紙の上には解読出来ない文字列が何枚にも渡り記されており、少しパニックになったのを覚えている。

ただ、その頃弱冠23歳だったわたしは根拠のない自信とやる気に満ちていた。
今みたいにYouTubeを観れば模範演技があるわけでもなかったから、やってみるしかない!と読み進めた。
日本人のDNAとは不思議なもので、外郎売りのリズムが心地よく自然にテンポが生まれた。
あとは、勝手に作ったリズムを楽しみながら無駄に力んで叫んで完成!!
夏目先生、小倉さんどうですか!?

うん、そんな感じだった。
上手さとか表現とはかけ離れた口上。
おれ、できてるやん!と思った自分が、お恥ずかしい…。

けれど、今になると、初めだからあれでよかったんだと思う。

演劇で自己表現(本来は自己表現ではないところに本当の表現があるが)しようとする時、
思い込みやプライドにしがみついて、後から考えると、とても恥ずかしくなるような言動を取ることがある。
一人で思い出して、思い出し赤面みたいなことになることがある。
まるで、ニキビヅラした中学生のような稚拙さ。

でも、大丈夫、それで大丈夫。
その積み重ねだけが舞台の上で本当の表現をつくるきっかけをくれる。
その時その時を必死で表現すればいい。今の自分を。
そして将来恥ずかしかったと思える謙虚さを持ちながら、新しいチャレンジを繰り返す。

その繰り返しの先に自分を愛する力がある。その先には…。また、いつかの投稿で。

これから演劇を始める方には、ぜひ、出来ない自分を愛してほしい。きっとそこにだけ未来がある。

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